California Zephyr

初の大陸横断鉄道ルートでもあり、かつてのパイオニアゼファー以降歴史あるルートです。
サンフランシスコ〜シカゴ間は二泊三日、約五十時間の旅です。
カリフォルニアの乾燥地帯からロッキーをコロラド川沿いに越え、デンバーなどを経てシカゴへ。
沿線風景は乾燥地帯から山岳地帯、川沿いやサンダーストーム等変化に富んでいます。
列車は十両ほど、荷物車や郵便車などが併結されるので実際はもう少し長いかな。
コーチ(座席車)、ラウンジカー、スリーパー(寝台車;数種有り)、ダイニングカーが連結されています。
ラウンジカーとダイニングカーはセットで連結されるのが多いようです。
ラウンジカーでは昼夜問わず多くの人が会話や景色を楽しんだりしています。
また夜間には映画の上映などもあるので飽きたときなどは見てもいいかもしれません。

 

 

 アムトラックの主力機関車「ジェネシス」。これからのシエラネバダとロッキー越えのためか、三重連(デンバー?で一両居なくなった)での登用となっています。今は穏やかですが、排気は真っ黒でフルパワー時は蒸気機関車のようです。またアメリカの機関車特有のホーンを装備しており、プープーならしながらアメリカの大地を走り回っています。 なおカラーバリエーションが数種あって、これは一番古い(むかしはアムトラックといえばこの色)モデルのカラー。ちょっと薄汚れていますが、二泊三日連続して走ることを考えると・・・
 アムトラックといえばスーパーライナー! という人も多いのでは?二階建ての巨大客車です。下の階(Lower Level)はトイレや機械室、ファミリー向けの個室風の客室または喫煙室やスナックバーになっています。トイレが5個近くもあるのはさすが長距離車。普通の座席のコーチ(日本のグリーン車ぐらいの広さ)のほか、数種類の寝台車(スリーパー:非常に高価)、窓が天井まで回り込んだラウンジカーやダイニングカーもあります。ラウンジカーは景色を楽しんだり、会話を楽しんだりするような場所で大人気です。いっつも混んでいる、アメリカらしい場所です。

 サクラメント郊外にて。土の色がまだまだカリフォルニアです。

 のどかな田園地帯を列車はハイウェイとともに快走しています。

 途中で見つけた車両基地です。大きな除雪車(左の2両)がいるところを見ると、この辺からは雪が積もる地域のようですね。

 こちらもカリフォルニアな風景ですね。それにしてもこの雲一つ無い空はすばらしい!

 

 シエラネバダ山脈が近づいてきました。列車の速度は急勾配のためか徐々に落ちてしまいますが、非常に景色の豊かなところです。日本の北海道のような針葉樹が多く、また線路際まで荒削りの岩が迫っています。
 スーパーライナーは車高が高いので、比較的景色をゆったりと楽しめます。ちなみにスーパーライナーは東海岸の電化区間では車高の高さ故か入線できないようで、ビューライナーという背の低いスリーパーとシングルレベルという一階建て客車が東海岸では主流です。

 しばらく上り坂が続きます。こういった大自然の雄大な景色は、大陸鉄道ならではといえるでしょう。この。

途中の小さな駅。キャンプ地へのちょっとした拠点ともなっているようです。

コロラド川、これからしばらく一緒です。空が青いのは、フィルター撮影したわけではなく、こういう色なんです、ほんとに。

コロラド川にそって進む列車。カヌーやゴムボートでの川下り、河原でキャンプする人などバカンスを楽しむ様子がよく見られました。また愛想よく列車に向かって手を振る人も多くいます。カヌーに乗って手を振った瞬間ひっくり返って笑い者になった人もいましたけど。
列車は時折100キロ以上で巡航し、巨大な車体は右へ左へ大揺れです。かと思えば通過待ちで一時間だらだらと停車するなど、速いのか遅いのかよくわかりません。

 シエラネバダ越えも一段落したあたり。樹木もまばらな大平原です。

 シエラネバダを越えると、こういった砂漠風景ともお別れとなります。ちなみにこれはなぜかぼけーっと本線上で止まっていたときのものです。
列車からの夕景。ただでさえ大きなスーパーライナーの影がさらに伸びています。カリフォルニア特有の尾根の丸っこい山も見えますか?アムトラックのダイヤは、私にとっては難解です。

翌朝の風景、依然として列車は急勾配の連続と戦っています。この辺が、機関車も見せ場(?)のようで、黒煙を吐きながら力行の連続でロッキーを越えてゆきます。地球にはあまり優しくなさそうですが。

ロッキーを越えるとアメリカ有数の高地都市、デンバーが現れます。この日は夕立もあって、非常に綺麗な景色でした。ちなみに、デンバーはかなりの高地ですので、カリフォルニアでペットボトルなどを買うと気圧差のおかげで酷い目に遭います(なので?列車内の飲み物の販売はほとんど瓶)。
列車内より。この日の夜はサンダーストームを初めて体験、縦横無尽に走る稲妻に驚かされました。デンバーを越えると、大陸らしい雄大な平原と遠くの山、大きな空に圧倒されながら進んでゆくことになります。夜に真っ暗な中、ラウンジからみるサンダーストームは、日本人にとっては大きすぎるほどの、自然の豊かな表情を見せてくれます。

翌朝、すっかりイリノイの穀倉地帯です。無数に植えられた緑の平原がおでむかえです。

 さすが大農園の国、農機も巨大!

こちらが長距離列車には欠かせない、ドームです。このように大きな窓を備えており、上層階がラウンジ、下層階がちょっとした売店になっております。売店の価格は市価の二割り増しぐらいなのは、日本と同じ原理ですかね。

シカゴの近郊列車、METRAの二階建て近郊車両。もう一端が機関車になっています。




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