California Zephyr

  パート2では、ロッキー山脈のサミットからデンバー、シカゴまでのルートを一気に進んでいきます。デンバーまでは遅れの時間がじりじりと広がり、到着時には六時間遅れとなりました。しかし乗客は半ばあきらめにも似た雰囲気で、のんびりと車窓を楽しみます。そして、デンバーを越えれば、あとは世界有数の大平原をシカゴまでまっしぐらに進んでいくことになります。

 

  ロッキー越えも佳境に・・・


  半日以上挑み続けるロッキー越えもいよいよ佳境に。コロラド川に沿った断崖のへろへろ線路(といっても二本の鉄道には無いほどの重軌道ですが)をトンネルを交えながら進んでいきます。さすがにこの辺には人家はおろか道路すらなく、まさに秘境といった風情を楽しめます。またこのあたりはゼファー号のハイライトの一つでもあります。

 

  ロッキー越えもそろそろ終わりです


  急にひらけたところに出ました。このあたりは牧場になっているようで、河原で牛がのんびり過ごしています。まさに正しい(?)アメリカの牧場風景といったところでしょうか。こんな変化に富んだ車窓も、カリフォルニアゼファーの名物の一つです。

 

  高地の風景


  このあたりにはちらほらと人家と家畜小屋が見かけられます。雲が手に届きそうなほど身近なのが、高地の風景らしいところです。空もこころなしかより蒼いように感じられます。平行する道路ものんびりとした風情。

 

  ロッキー越えを終えて・・・


  この峡谷を抜けて長いトンネル(どうやら行程で一番長いトンネルのようです)を越えると、もうデンバーまでは下るだけ、そしてシカゴまでの大平原を列車は一気に駆け抜けるだけです。

 

  デンバーへ・・・


  全米一の高地都市、デンバーを目指して列車は坂を下っていきます。山の斜面をいろは坂の様にうねうねと延びた線路を列車はたどっていきます。デンバーはまさに大平原に作られた都市であることを感じさせます。

 

  うねうねうね〜


  対向の貨物列車がやってきました。その長さをさることながらこのうねうね加減・・・まさに地を這う様な勢いでこれからロッキーに挑む様子がおわかり頂けると思います。

 

  デンバー!


  こちらはデンバー駅のドームの様子。デンバーで列車は補給をかねて一時間ほど停車しました。この間にはコーチ車(座席車)を一両増結、また機関車は先頭の一両を解放して、重連にてシカゴまで進むことになります。

 駅構内は大鉄道時代を彷彿とさせるゆったりとしたもの。掲げられたたくさんの鉄道会社のサインが当時の香りを伝えます。

 また構内にはちょっとした鉄道にカンするエキビジョンのコーナーや、アムトラックグッズを売る売店などもあります。

 

  翌朝、平原の夜明け


  カリフォルニアゼファーで迎える最後の朝はこのようにもやのかかった静かな夜明けでした。昨日までの山の風景とはうってかわって、緑豊かな平原の広々とした夜明けです。

 

  オマハの町並み


  行程上では最後の長時間停車となるオマハ駅近郊から撮影した、オマハの町並みです。ちょっとした地方都市といった風情ですね。

 

  オマハで休む列車


  朝のちょっと涼しい空気を楽しもうと、乗客もホームをブラブラしています。またスリーパーの乗客にはちょっと遅い新聞のサービスも行われました。

 

  オマハ駅構内に保存される2両の機関車


  前にあるのはアメリカ最大の蒸気機関車、ビッグボーイ。4軸の駆動装置を2セット直列に配置したマレー式という構造をもっている機関車です。後に連結されているのはDD40と呼ばれるこちらも最大級の内燃機関車。ディーゼル機関2基を装備した出力5000馬力(?)のモンスターで、四軸の大きな台車を二つ備えています。

 

  平原を疾駆する列車


  昨日までの山岳区間とはうってかわって、平原をかなりのスピードで疾走します。ときおり巨大なスーパーライナーの車体は右へ左へ、上へ下への揺れ様。

 

  こちらも平原


  どこまでも続く農園の片隅に、ちょこんと家があったりします。広い空と豊かな緑に囲まれた、アメリカの農園らしい風景です。

 

  あの橋を渡れば・・・


  さあ、この橋をわたればいよいよ最終目的地、シカゴのあるイリノイ州に入ります。橋の上は複線になっているようで、バーリントンノーザン鉄道塗装の貨物列車とすれ違いました。

 

  イリノイの大穀倉帯


  アメリカは世界最大の農業国でもあります。その生産を支える平原、そしてその取引は目的地のシカゴで行われます。実りの秋を迎えた畑が車窓一面に広がります。

 

  いよいよシカゴ近郊へ


  人家が建て込んできました。いよいよシカゴのダウンタウンエリアです。

 

  メトラとのすれ違い


  シカゴ近郊区間のコミューター列車サービスを一手に引き受ける、メトラの列車とすれ違います。近郊区間はメトラと同じ線路の上をアムトラックも進んでいきます。この日はたまたま日曜日だったこともあって、車庫で多数の編成がお休み中です。

 

  シアーズタワーが見えました!


  全米一高いシカゴ、シアーズタワーが車窓に現れました。いよいよシカゴに到着です。車内も身支度を整える乗客や、後かたづけをはじめるコンダクターたちでばたばたしてきます。

 

  シカゴにある機関区


  シカゴの駅は終端式と言われる、行き止まり式の駅です。列車がそのまま進入してしまうと機関車の肺炎がもろに駅に入ってしまいますので、列車は車の車庫入れのように一旦駅とは反対方向に向き、逆進で駅に進入します。さて、シカゴはアムトラックの重要な拠点の一つだけあって、たくさんの機関車が整備を受けたり休んだりしています。左端に見えるのは、いまやほとんどが退役してしまった、名機F40PHです。

 

  シカゴ駅に進入!


  やっとシカゴに到着、今回は最終的にはわずか50分遅れ!なかなか優秀でした。さあ、3日間いろいろお世話になったコンダクターや食堂車のパーサ達に別れの挨拶して、シカゴの街へ踏み出しましょう!