Amtrak Genesis & California Car

 

  コースとスターライト号の先頭に立つ119号機


  名機F40の老朽化に伴い配備が進められたジェネシス、こちらは登場時のフェーズ3カラーです。改めてみても、やはりアメリカの機関車らしからぬデザインです。

 エマリービル駅

 

  台車


  車軸配置はB−Bで、さしずめ日本で言うならDDといったところでしょう。台車の作りは電気式ということもあってか、意外とシンプルな様子。

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  2エンド側


  こちらは、簡易運転台のみを備えた構造となっています。それまで一般的だったデッキがないこと、また特にスムースな側面からの処理が特徴でしょう。なお、アメリカの機関車の基本的な運用形態はかつてのEF55のような片運基本というスタイル。貨物用の凸型機関車でも基本的に本線上での進行方向が決まっていますので、そういった意味での使い方としては蒸気機関車となんら変わりがないようなものです。

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  銘板


  ジェネシスはGEによって製作されております。アメリカでは主にGEのほか、先代の主力機F40を生産していたEMD、撤退してしまいましたがALCO(後にボンバルディアに吸収)といった機関車メーカーがあります。余談ながらアメリカでは日本と違ってどちらかというとメーカーが機関車を企画し、販売していくというスタイルが主のようです(ただしジェネシスはアムトラックの仕様要求に基づき作られたはずですが)。

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  スカート周り


  カウキャッチャー(?:最前のスノープラウのような部分)の位置がジャンパ線等を保護するような取り付け位置であることからもわかるように、大陸を駆け回るだけあって、正面には飛び石や動物の衝突?によるとおもわれる傷が無数にあります。正面のライトは、中央2つが常点灯、その左右がマーカーランプ(使用法についてはよくわかりません)、その下の2つは左右交互に点滅するような仕組みになっているようです。

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  屋根上


  意外にもシンプルな屋根上です。大型のホーンとエンジンの排気口、および大型の排熱ファンが備わっています。また屋根板そのものがピースごとに分割してはずせるようになっているのが判ります。

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  運転台付近


  運転台付近はワイパーの他はそれほど装備がありません。ワイパーも巨体には不釣り合いなくらいシンプルなものです。また中央のナンバープレートは点灯式になっています。

 

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  ジャンパ回り


  ジャンパ回りは自連を見慣れた日本人の目には余り珍しくもありませんが、電圧480Vとは・・・。さて、アメリカの列車では騒音対策のためか、電暖が主流です。日本のスハフ12のような発電機をぶら下げてどうしようもなくうるさい車両は居ないようです。ついでにカヤ24のような発電車というのもあまり一般的ではないようです。つまり機関車に頼りっぱなし・・・。

 

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  無動力牽引(?)の際の注意書き


  アメリカでは無動力牽引で、貨物列車にぶら下げて機関車を回送することが往々にしてあるようです。この注意書きからもそのような使い方が多いことが伺えます。

 

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  再びフロント回り


  こちらは先ほどのフロントとは反対側の様子です。より細部まで補修の跡や飛び石の痕跡を見て取ることが出来ます。また日本の自連にくらべて、後方からの突き上げ対策なのか、縦方向に大型化されているような構造になっています。

 

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  燃料計?


  車体中央の下への出っ張りの側面についていたもの。燃料タンクか何かのものだと思われます。

 

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  運転台へのステップ


  巨大な機関車ですから、運転席も高い位置になります。ステップはこの二段を含めて合計6段ほどあります。

 

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  新しいフェーズ5カラー


  こちらはシカゴで撮影したものです。若番ですので、検査時に塗り替えられたものでしょう。フェーズ5では、それまでのいかにもアメリカンな塗装から一転して、ちょっとサイケなカラーリングとなっています。

 

シカゴ ユニオンステーション内ヤード

 

  北東線カラーの712号機


  ニューヨークで撮影した、北東線カラーです。車体の切れ込みを塗り分け線に、上3分の1ほどをグレーに塗り分けています。この700番台の機種は17両ほどが在籍しており、電気式ディーゼルながら第三軌条からも集電可能な構造を持つ特製の車輌で、地下区間が多いニューヨーク近郊にはなくてはならない存在です。

 

NY ペンステーション

 

  台車


  ちょっと畳まれてしまっているのでわかりにくいのですが、台車中央には集電靴が取り付けられている様子がわかります。欧米では架線の敷設方式として、日本のような架空式よりも第三軌条の方が圧倒的に一般的なようです。

 

NY ペンステーション

 

  カリフォルニアカーを牽引してきたF59PHI


  こちらはEMD車で90年代に生産されたF59です。アムトラックでは主にカリフォルニア州を中心に運用しています。見た目の構造はF40からの流れをもつものではありますが、排気ファンを左右からカウルで囲ったりしています。いくつかの近郊鉄道にも納入されましたが、現在では生産を終了してしまっているようです。

 

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  屋根上の様子


  カリフォルニアカーは両開き2ドアの客車で、完全な二階建て構造になっています。おもに近郊から中距離の列車に充当されるのが主で、最近ではカラーリングを変えて生産されたサーフライナーなども登場、カリフォルニア州でのアムトラックの主力車種のひとつとなっています。

 

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  カリフォルニアカーの運転台


  カリフォルニアカーは4両で1編成となるようで、このように機関車の反対側には運転台付きの客車があります。これは欧米では主流の機関車の付け替えを省くためのもので、この運転台から機関車を制御して運転するためのものです。これ故に、片運方式の機関車が生き残れたともいえます。このカリフォルニアカーは通路が二階側にあることも、従来の近郊用車両との違いの一つです。がっしりとした貫通幌は、推進運転の際の衝撃もしっかりと吸収します。

 

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  カリフォルニアカー編成全景


  このような編成で運用されています。ちなみにこのカラーリングもカリフォルニア独自のものです。確かカリフォルニア州そのものがアムトラックに対して独自の援助を行っているため、組織もアムトラックカリフォルニアというちょっと独立した組織になっていたのだと思います。

 

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  液晶式の行先表示器


  このような液晶とバックライトを組み合わせた行き先表示器はアメリカではメジャーなようで、ほかにも各地の地下鉄や近郊車輌などで見かけることができます。一定時間にいくつかの内容(行き先、列車番号など)を交互に表示するような使い方をしています。