Amtrak Super Liner

 

  スーパーライナー(スリーパー)


  長距離列車の主役、スーパーライナーです。電化区間を通れないため、主にシカゴ以西と南部に活躍の場があります。今後、長距離列車が削減される方向にあるアムトラックでは、数が減ってしまうかもしれません。それはともかく、構造は完全な二階建て、一階は一部の座席や家族向け寝台個室、喫煙室や荷物室の他は空調機器や各種タンクで埋まっております。ちなみスーパーライナーはアムトラックになってから二代に渡って作られたものですが、この二階建てスタイルは、もともとは950年代にサンタフェ鉄道が所有した二階建ての客車が原型になっております。

 

  スーパーライナー(パーラーカー)


  こちらはコーストスターライト号に特に連結されるパーラーカーです。こちらはやや製造時期が古いことも会ってか設計が違うようで、車体高さが微妙に小さいのがおわかり頂けると思います。コーストスターライト号は、アムトラックが特に売り出している列車で、西海岸のシアトルからサンフランシスコまでを海岸沿いに走る、景色が美しい列車の一つです。

 

エマリービル駅

 

  スーパーライナー(ラウンジカー)


  長距離列車には欠かせないラウンジカーです。もっともラウンジカーと言うよりは、昔ながらの「ドーム」という名前の方が通りがいいようです。なにが「ドーム」かというと、列車がまだ一階建てだった頃に、ドーム状の張り出し屋根を持った車輌がいたことからなのです。それはともかく、二階部は天井まで窓が回り込んだ明るいラウンジ、一階部はゲーム用のテーブルや売店が入っている車輌です。

 

  ラウンジカー車内


  このように回転できる椅子が左右に向けて並べられ、景色をのんびり楽しんだり、隣に並んだ人と会話を楽しんだりすることが出来ます。まだ営業前なのでガラガラです。天井まで窓が回り込んでおり、晴天時は非常に明るく雰囲気もよくなります。

 

  車窓を楽しむ人々


  ラウンジは昼は景色を楽しむ人々、夜は映画を楽しむ人々でいつもにぎやかな場所です。列車の旅はその景色の豊かさに加え、こういったラウンジに足を運ぶ楽しさ、そこでたまたま会った人との会話を楽しむ機会なども豊富に与えてくれます。

 

  ラウンジの売店


  売店は一階にあります。飲み物の他、ちょっとしたスナック菓子やハンバーガーなども置かれております。小腹がすいたときなどにはちょうどいいでしょう(だから太るんだって?)

 

 こちらはラウンジカー階下席


 ちょっとした談話室のような場所。階下なので景色は良くありませんが、食べ物とトイレは近くにありますよ(笑)。

 

  ダイニングカー


  こちらも列車の楽しみの一つ、食堂車です。といっても日本の国鉄末期のようなチープなモノではなく、このようにちゃんとしたレストランのようなものです。食事はだいたい15ドルから20ドル(チップ別)で、けっこうしっかりと食べられます(スリーパーの場合は食事代金は寝台料金に含まれています:アルコールのみ別料金)。予約制で、時間になるとウェイターが各車両を回って何時頃(だいたい5時か7時半のどちらかから選びます)に食べたいかを聞いて回ってきます。

 

  「ワシントン」と命名された寝台車


  一部のスリーパーには、こういった愛称がつけられているようです。ドアは手動で内開き、ちゃんとコンダクターがあけてくれますのでおとなしくしていましょう。

 

  台車(その1)


  古風な台車。しかしながらよくみると(見なくても?)ダンパーがしっかりと支えております。ここまで大柄な構造は日本の客車にはありません。このスタイルの台車はアメリカの客車では標準的なものの様子で、各地でみかけます。あまり確証はないのですが、ダンパーがついたこのモデルのほうが新しいようです。

 

  台車(その2)


  こちらはミンデンのような台車。設計は新しそうですが、ダンパーが無いのでちょっと頼りなさそうにも見えてしまいます。また、たまたまかもしれませんが、こちらの方が乗り心地が悪いような気がしました。現在給水中の様子で、側面のハッチの中身の様子もうかがえます。

 

  号車番号窓


 スリーパーを予約したときは、あらかじめ号車番号と部屋が決められますが、その号車番号はこのように車体側面に表示されています。

 日本と違って(?)号車番号は適当に割り振られたような数字になっています。

 

  足下に注意!


  揺れる車内ですので足下には注意を・・・

 

  飲み物はサービス(スリーパーのみ)


  スリーパーの乗客は、ソフトドリンクやコーヒーを無料で振る舞われるほか、各車両に一人の専属コンダクターが付きます。困ったときには遠慮無く頼むことが出来ます。もちろん気持ちとしてのチップは忘れずに・・・

 

  銘板


  世界有数の重工業企業、ボンバルディアのほか、ビーチグローブというメーカーもスーパーライナーの面倒を見ています。

 

  コーチのシート


  こちらは安いコーチのシートです。といっても日本のグリーン車よりも広く、フットレストやレッグレストもあり、夜には枕を貸してもらえます。なお、車内は冷房がガンガンですので、ブランケットを忘れずに・・・(ガイドブックには車内に毛布販売ありとありましたが、あまり見かけませんでしたのであらかじめ持ち込まれることをおすすめします)。テーブルも航空機並みの大きなもの。

 

  行き先はみんな知っています


  基本的には自由席のコーチでも、ある程度はコンダクターが「**まで乗る人はこの車輌へ」と指定してきます。出発したら検札と同時にこのようなタグを網棚に付けていきます。これは行き先を示しており、深夜に到着する場合はあらかじめ起こしに来てくれたりします。ですので、いったん席を決めてしまうと、あまり動くのはよろしくないと思います。

 

  一階のトイレ周り


  洗面所は4カ所(1カ所は車いす対応)、スリーパーにはシャワー室も付いております。洗面台の構造は飛行機のそれにそっくりなものです。

 

  こちらは喫煙室


  アムトラックでも車内は禁煙です。ですのでスモーカーはこちらの喫煙室にて・・・でも張り紙をみると飲食物持ち込み禁止・・・

 

  脱出用に外せる窓


  さて、スーパーライナーも基本的には全窓固定です。出入り口ドアの窓だけが開閉可能ですが、基本的に乗客はさわれませんので触らないようにしましょう。それで本題ですが、客室の窓もいくつか外せるようになっています。構造はシーリングのゴムをそのままはずしてしまうようなもので、とうぜん外したら元に戻せないでしょう。