メモリアル5000系撮影会

 1963年の昇圧と共に本格的な活躍が始まった5000系、その後3両が事業用に改造され2004年夏まで活躍しました。しかし、このほど後継車(デワ600;廃車になった6000系を改造したもの)が完成し、退役する運びとなりました。退役後は保管場所などが無く、解体処分が濃厚のようです。

 しかし、今回京王電鉄の有志が中心となって、最後まで残った3両の5000系を囲んで撮影会が催されました。事前にはがき申込制とするなど手際の良い運営で混乱も無く、ヘッドマークの付け替えや種別板の交換等が行われながらの和やかな撮影会となりました。また海側の側面についてはKEIOロゴが消され、懐かしい帝都電鉄時代の車紋も取り付けられ、現役時代を彷彿とさせる姿を目にすることが出来ました。他にも案内看板の写真が一枚一枚違ったり(全て現役時代の5000系の写真等)、かつての種別サボを模した警告看板等、なかなか細かいところまで実行委員のこだわりの感じられる撮影会でした。他にも保線車両の展示など、この手のイベントが少ない京王にあって盛りだくさんな内容でした。

 なお開催に当たって、実行委員会の皆様の大変な御尽力があったとのことを色々な方から伺いました。

 実行委員会や関係者の皆様におかれましては、大変お疲れさまでした。 とても楽しい撮影会でしたよ。

まずは「高尾」のヘッドマークから。側面には社章も復活しています。

続いて「陣馬」。なかなか渋いですね。

そして「迎光」、5000系の顔にはヘッドマークが良く映えます。

最後は見慣れた特急看板、サボでの種別表示も今や語り草。

時間が余ったそうで、サービスで「急行」サボも掲出。

最後のサービスは今は種別そのものが無い「通勤急行」でした。

隣には最新型のモーターカー、かなり背が高いのが判ります。

海側は現用ロゴが消され、車紋と旧社名が復活していました。

電気部の機陸兼用車、珍しい軌間可変装置を搭載しています。

珍しい構造、油圧モーターで駆動軸としても機能します。

操作パネル。ちなみにこの車、一台約3000万円だそうです。

新型モーターカーも実演中。キャブは広そうですね。

牽引用のウニモグです。使い勝手はイマイチだそうです。

10両程度のブレーキまでなら、このCP他で制御できるそうです。

回転式の連結器、簡易型の密連と自連がくるくる回ります。

何カ所かに貼られていたシール、国番号49ってどこだ???

そばに留置されていた6000系2両編成。

お子様用には記念撮影用のミニ制服セットも。

保管されたままの旧型台車、どうするんでしょうかねえ・・・??

昔の種別サボを模した警告看板、拘ってるなぁ・・・。

 保線車両についてもいくつか。

 まず可変車軸の軌陸車ですが、なんと一台約3000万、6台を現有するそうです。油圧モーターで車輪を駆動する方式を採用しているのは、主にゴムタイヤ駆動の場合、摩耗が激しいからだそうです。ちなみにJRの軌陸車の場合は、車軸駆動でないとダメだという話も伺いました。軌陸車については、実際に軌間可変の様子も動かしていただいたり(なかなかスムーズですよ)、中に乗せていただいたり、ターンテーブルを回していただいたり、それは夢のような時間を過ごさせていただきました。

 次いでウニモグですが、かなりの引き出し能力を持つそうで、ブレーキについては背面に搭載したコンプレッサーとエアタンクで10両分程度ならまかなえるそうです。通常はナンバーなしで構内専用として使いますが、整備時などに希に借りナンバーを取って一般公道も走るそうです。是非見たいなあ。使い勝手の方はどうもイマイチだそうで、シートが前向きに固定されている為バックでの押し込みなどがしづらいそうです。現業の方曰く、やはりDE10のような回転シートが入換機としては一番使いやすいそうです(どうもウニモグ以前にそういった車両があったらしいのですが、不勉強であまりつっこむ事が出来ませんでした)。ちなみにメーカーのベンツはこの手の特許を相当保有しているそうで、なかなか他のメーカーが手を出さないのもこの辺りにあるとか・・・。

 新型モーターカーについてもいくつか新しい情報を頂きましたが、それは次回保線車両についてまとめたときにしっかり取り上げさせていただきます。

 最後に貴重な時間におつきあいいただいた現業の皆様、ありがとうございました。

 ちなみに5000系の八王子側ですが、子供向けの制服と組み合わせて記念撮影用としてこちらも大活躍でした。余り本来のお客様の邪魔をしたくなかったので、八王子側の顔についてはちゃんとした撮影を見送りました。幕は各駅停車八王子だったようです。将来、この記念撮影組から京王線の運転手が生まれるとおもしろいですね。

2004.11.14 若葉台にて