都営12−000系試作車

 12号線(後の大江戸線)建設計画に採用された、リニアモーター式地下鉄の実証実験で使われた、12−000系の試作車です。主に浅草線の大門車庫等で線路にリアクションプレートを設置し実験を行い、実験結果はその後の12号線(大江戸線)に反映されたようです。当初は営業運転にも転用される予定だったようですが、その後の12号線とはだいぶ構造が異なったのか、実験終了後はそのまま廃車となったようです。

厳重に金網で囲われているので、落書きなどはほぼ皆無です・・・

002は地域の集会場に、001は車内も公開されています。

左に寄せられた運転台が日本では珍しい存在です。

台車は既に小径車輪と積層ゴムの緩衝材を使用しています。

小径車輪廻り

クーラー、当時の技術では床置きのみが可能でした。

ジャンパ類は無造作に放置されています。

001号車は窓も半固定になる等かなり意欲的な試作のようです。

車内、貫通路にエアコンを追加、また椅子が変更されています。

天井廻り、蛍光灯カバーがありますが、オーソドックスな雰囲気です。

運転台背面、天井との境界にはLEDの案内板もあるようです。

001号の車内に飾られた諸元表

002号は車内は地域の集会場の為非公開です。

再び足回り、線路間にはリアクションプレートを模したものもあります。

台車内側、車体側と線路側のクリアランスはかなり狭いようです。

002号車は一般的は一段下降窓を採用しています。

両車の間はホームを模したような構造になっています。

疑似ホームにはこのような案内板も・・・

既に12号線という呼称も過去のモノですが・・・

試作車の歴史を伝える数少ない資料の一つ・・・

2013.05.03撮影