銚子電鉄の近況

 今回は銚子駅から僅か7.8キロ、外川までの区間を走る銚子電鉄です。何度となく廃止の噂や実際の危機に直面しながら、巧みな経営で今日も走り続けています。特に各駅に特色を持たせたり、地域にマイレール意識を向上させるなどの手法はかなり定着しているようです。

JR駅の一部を間借りした銚子電鉄銚子駅ホーム、風車が目印です。

元営団2000系としておなじみ、銚子電鉄では1000系を名乗ります。

連結器には簡易アダプタ。滅多に連結しないからいいんですね。

車内の非常灯が銀座線育ちを主張、車内各所には手作り広告も。

短い路線図、テプラによる注意書きがびっしりと・・・。

大きな側窓に戸袋窓のおかげで初夏の日差しを満喫できます。

終点外川駅、ドラマの撮影にも使われたことがあるとか。

手書きの運賃表、正にブラックボードです。

外川駅に留置されるユ101、トロッコ列車としてはかなりの老舗です。

外川駅待合室にて、そういや木の腰掛けって無くなりましたね。

外川駅での折り返しのひととき、のんびりとした時間が流れます。

車止め入れ脇にはクマのヌイグルミ、忘れ物かな?

名物濡れ煎餅の工場と直売店がある犬吠駅です。

犬吠駅からは元近江鉄道のデハ701に乗車します。

正に「網棚」、ちょっと物を乗せるのは怖いですね・・・。

デハ701の外川側の顔、銚子側と違って三枚窓になっています。

仲の町駅併設の車両基地にも入れていただきました。

元営団の1000系、2両が在籍する主力車両です。

台車はアルストム型台車、小田急から富士急を経てやってきました。

700系も2両が在籍、いずれも元近江鉄道の車両です。

2両のデハ700はいずれも前後で顔が違います。外川側は3枚窓。

台車は独特の曲線をつけたイコライザ台車です。

デハ301、買収国電の貴重な生き残りで1両が在籍しています。

台車は日車D型とよばれる、よく見られるイコライザ台車です。

マスコットとして生き残るデキ3、自重10tの小型電機です。

整備の為台車を抜かれたデハ801、元伊予鉄の車両です。

運用中のデハ1002が車庫の脇を通り過ぎます。

工場はこのようなこじんまりとしたものです。

名物の鯛焼きで使った、あんこのから容器がたくさん。

鯛焼きが名物の観音駅脇踏切を往くデハ701。

観音駅にアプローチするデハ1002です。

外川駅で折り返しまでの間に一息入れているデハ701です。

デハ701の車内、木で囲まれた、独特の雰囲気のある車内です。

おじいちゃんと電車に乗って・・・。

デハ701の非常灯、独特の菱形の覆いが印象的です。

笠上黒生駅にあるデハ101の廃車体、無惨に朽ちています。

雨宮製の板枠台車、元々は762mmゲージ用の物のようです。

屋根上のビューゲルのこの様な有様・・・。

笠上黒生駅は唯一の交換駅です。下りのデハ1002が到着しました。

上り列車と通票の交換や車掌の乗り換えが行われています。

交換後、上り列車が笠上黒生駅を後にします。

いかにものどかな笠上黒生駅の駅舎。

再び外川から銚子へ向けて、沿線はこういった田園地帯です。

キャベツ畑に落ちる電車の陰も長くなってきました。

本銚子付近の緑の絨毯、紫陽花の季節には観光名所になります。

車両基地の他、ヤマサ醤油の工場もある仲の町駅付近です。

銚子駅にアプローチ。接続線はもうずいぶん使われていないようです。

夕方の銚子駅にアプローチするデハ1002。

 銚子電鉄は銚子〜外川間7.8kmを結ぶ小さな私鉄です。全線乗り通しても20分弱ですが、沿線各駅が個性を持たせた駅となっており観光を主体とした路線として生き残りを図っています。特に犬吠駅で製造、販売される濡煎餅は今や鉄道事業の売り上げを越える程の人気です。

 銚子電鉄ウェブサイトはこちら>> http://www.choshi-dentetsu.jp/

 在籍車両の概要は以下の通りです。

 300系:旧鶴見臨港鉄道(現JR鶴見線)向けに1930年に新潟鉄工所で製作されました。その後路線と共に国鉄に編入され活躍、銚子電鉄には1951年に1両が入線しました。1000系入線までは最大の車両でした。現在では予備車として使用されているようです。

 700系:元近江鉄道の車両で1942年に日本鉄道自動車製造にて製造され、在籍2両とも1978年に入線しました。車籍上は近江鉄道の木造客貨合造電車まで追いかけられますが、どうも車体は以後に新造された物のようです。また3枚窓側は元々貫通路だった側になります。台車はイコライザ台車(KS33?)を履いています。

 800系:元伊予鉄道の車両で1950年に帝国車両で製造され、1986年に1両が入線しました。

 1000系:元営団銀座線の車両で1994年に2両が導入された現在の主力車両です。同時期に改造された日立電鉄向け車両とおおむね同じような構成ですが、台車にアルストム台車(FS316)を富士急から購入して使っているのが主な相違点です。

 ユ101:1985年に国鉄ワム80000を改造して作られた解放型展望車です。いわゆるトロッコ列車としては比較的早い時期に登場したもので、それ以降も主に毎夏季に一日数往復しています。

 デキ3:1922年にアルゲマイネ社(ドイツ)にて製造された10t電機。1941年入線、主に銚子〜仲の町間の極く短距離の貨物輸送に従事しました。1984年に貨物輸送が廃止されてからは専らマスコットとして使われています。