京急ファインテック 久里浜事業所

 去る5月25日日曜日、京急線の車両のメンテナンス等を行う京急ファインテックの久里浜事業所が公開されました。当日は好天に恵まれ、家族連れや鉄道ファンなどで大いに盛り上がっておりました。また保線機械については、特設ページを追加いたしました。

  行列の出来る電車工場


 開門一時間前だというのに、工場前の狭い歩道にはかなり長蛇の列が出来ています。私の並んでいた辺りは家族連れが中心で、この長蛇の列に早くも辟易とした様子。今時無料で子供が大喜びする場所ですから、良い家族サービススポットとして大人気の様子です。

  展示実演に備えるマルタイ


 私のお目当てはもちろん(?)保線車両群。普段は深夜、しかもお目当ての車両があったとしても運用の追跡が難しいだけに、白昼、作動状態の写真が見れるのにはエキサイトします。

  架線検測車


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<架線検測車、工事車特設ページへ>

 架線検測機器


 架線検測車の内部は、結構狭い作りになっています。架線中の番号を自動で拾い、さらに枕木にも定点でマーキングがあるそうで(全て自動化されているそうですが)、そこから架線の不具合箇所を探すそうです。それでも結構位置の狂いが多いのが悩みとか・・・。こう考えると、東急のデヤってもの凄く高級な装備なんですね。

  架線張り替えの実演


 電気区の架線張り替え作業の様子。手際よくハシゴを架け、上っていく様子には家族連れなどからも感嘆の声が多く聞かれました。ちなみにこの竹梯子は電気区の方がハンドメイドで作っておられるそうで、現在でも新人(?)研修(でも入社10年目の研修とか言っていたなあ・・・職人の世界だ)の一環として作っているそうです。

  最終確認を行う様子


 距離こそ短いですが、ものの10分ほどで手際よく架線は張り替えられました。ピカピカの架線がまぶしいですね。ちなみに作業車はこのあと子供を乗せてのおもちゃとして大人気となりました(笑)。今日ばかりは、保線車両のおもしろさの方に軍配が上がったようです。

  マルタイの実演


 架線張り替えに続いては、マルタイの作業実演です。先の架線作業の時もそうだったのですが、担当の方がマイクを握ってプレゼンを一所懸命にされていました。ちょっと専門用語が多くて、何も知らない方には厳しいものだったかもしれませんでしたが・・・。年齢層をもうちょっとターゲティングしてゆくと更におもしろくなると思いました。

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  作動の実演


 マルタイが実際に路盤を整備しているところです。実際に生で見るのは私も初めてでした。作動時の振動はとても早いもので遠目には止まっているようにしか見えません。音は凄いんですけどね。

  フィニッシャーとスイーパーの実演


 マルタイの実演の後は、フィニッシャーとスイーパーの実演です。私もこの機械についてはよく判らないことだらけだったのですが、すこしはその機能について理解を深めることが出来ました。

  フィニッシャーの実演


 フィニッシャーについては、前のスノープラウのような「レギュレーター」という部分と、後の突き固め部の実演です。こちらも作動音はなかなかのものです。レギュレーターは、マルタイの作業によって左右に散らばったバラストを纏めるというもので、昔のマックレー式かき寄せ雪かき車と機能は似ているようです。その後、中央にあるバラストホッパから足りなくなった分を補充、最後は突き固めとしてV字形のものと、水平なものとの2種類を順番に路盤に当ててゆき、仕上げていくそうです。

  スイーパーの実演


 スイーパーは普通マルタイにぶら下がっている小さな車両です。何故独立しているかというと、伺った話では、フィニッシャーとの2両連結が設計の前提になっていたこと、余分なバラストを吸い上げ(?)後に左右に分けるベルトコンベアーが付いていることが主な理由のようです。また最後の最後には、レール左右のくぼみ部分に回転するスーパーはぼき(?)のような物(後輪後の部分です)をクルクル当てて、完了のようです。

  用途不明・・・


 ちょっと話を聞くのを忘れてしまったので、用途不明な車両です。

  モーターカーと3転ダンプの編成


 モーターカーです。ユニック類のような装備はないようで、純粋に牽引だけを行うようです。

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 3転ホッパです。京急では蒲田駅周辺の高架化を進めているそうで、ベルトコンベアーなども装備した重装備仕様です。

  用途不明(フィニッシャーでしょうか)


 こちらも用途はちょっと聞き忘れてしまいました。

  架線作業車、道路へ・・・


 再び架線作業車です。方向転換は下からムクムクとジャッキが現れたかと思うと、手際よくクルリと反転、ものの1分もしないうちにケロリと反転しております。写真は反転作業の様子です。

  マルタイの内部


 マルタイのキャブ内部も見学することが出来ました。作動を見渡せる操作室の構造がよくわかります。まるで空中給油機の様です。ちなみに運転席のメーターにはなぜか120kmまで刻まれていました。もっとも自動車用のものっぽかったですけどね(走行距離計もあったし)。

  大人気の架線作業車


 鈴なりの子供を乗せて走る架線作業車です。最初は大人同伴で良かったのですが、重くてデッキアップ出来ないとかで子供限定になっていました。ちょっと子供がうらやましい・・・。

  新1000系


 さて、普通のファン(?)にとってはこちらが目玉でしょう。新1000系(?)です。まだ営業にも投入されていない、まさにぴっかぴかの状態でした。実は京急の形式はいまいちよくわからないもので(どうしようもないワタクシ・・・)、回りにたくさんいた父親に講釈する子供の方がよっぽど知っていそうです。

  インバーター装置


 「ど~れみふぁそらしド~~・ヒューン、ひゅ~ん・・・」でおなじみのシーメンス製インバーターです。シーメンスのおしゃれな(?)ロゴが光っています。

  旧1000系


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  800系と2000系


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  新1000系他


 ほかにも1500系や救援車も展示されました。1500系もアルミ車体の車両(但し塗装されているので普通には判りませんが)があったりと、こっそりバリエーションが多い形式です。

  修繕工場の公開


 修繕工場も公開されていました。丁度1500系が更新工事を行っており、このようなある意味凄い姿での登場です。ただおおまかな工程順に展示してあった割には、一切案内パネルの類が無くて、一般の方には解体中に見えてしまうようでした。

 更新工事中の1500系


 こちらも妻面窓を埋める最中の工事中。車体各所にも補修が加えられています。サイドのステップ等も補修されています。

 もうしばらくで完成?


 こちらは内装もほぼ完成した車両。ちなみにこの更新工事、車内の椅子まで新しい脚無しの物にするほどのもので、結構徹底しています。また各車には車号と台車等を記載した札がぶら下がっていました(画像中央下あたりに見えます)。

 トラバーサー


 車体を平行方向に移動させる為の機械です。意外にもこの機械って有名なのか、結構な数の子供が名前を知っていました。

  ジャッキアップの様子


 ジャッキアップの様子も公開されました。

 機械の名前は判らないのですが・・・


 いわゆる機器の調整のために使う道具でしょう。運転台にある物はだいたい付いていると言った状況です。

  子供向けの電車学校


 品川発で一本だけ、公募された子供向けの電車学校号が走りました。充当されたのは新1000系の4連だったようです。

  久里浜駅行きの臨時電車


 行きはバスによる連絡だったのですが、帰りは京急久里浜駅まで臨時電車が何本か運行されました。充当されたのは旧1000系がメインだったようです。工場内の踏切を渡るときは、このように手旗で案内しながら、係員数人がかりで通しておりました。ちなみに『運番:99 回送』表示のまま乗客を乗せて運行されました(あ、ちゃんとした旅客駅から乗っていないから荷物扱いなのかな)。ちなみに運賃は、京急久里浜駅までなら入場券だけでした。

  工場内での部品展示


 工場内にはいくつか主要なパーツの展示も行われました。ちなみにこの『電車なるほどクイズ』とかでは、部品の価格や重さを三択で選ぶ物で、結構難しかったです。

  側線で休む2100系


 京急の看板娘である2100系ですが、今回の展示はありませんでした。また退役も間近の700系の展示も行われず、少々物足りない気もします。

  側線で休む600系他


 今の京急顔の元祖ともなった600系です。車内がロングシートとクロスシートの可変式という、大変ユニークな構造で登場しましたが、使いにくかったようです。

 華の似合う電車?


 子供の特典の一つとして、制帽をかぶせて貰って運転台に座り、外から親に写真を撮ってもらえるというのがありました。こちらの1000系はそのサービスに使われた物で、今では数少ない(唯一)2両編成の物。保存用にするつもりなんでしょうか・・・。新型大好きの子供には期待はずれかもしれませんが、大きくなったときには貴重な記録になっているんだよ~!

 今に残る『KHK』 (帰りの車中で)


 車体からは削がれてしまった『KHK』のロゴですが、こんな所にありました。

 隠せる『禁煙』


 こちらも帰りの車中で。京急の古い車の禁煙プレートは、実は左右にレールが付いていて隠せるようになっています(サボのような感じ)。団体客の扱い時の為と聞いたことがあるのですが、真偽のほどは判りません。ちなみに今の車はシールになっております。